ネットワーク技術ブログ – 09.VPN設計


ネットワーク技術アレコレ

執筆:K.M / R.A

VPN設計

今回から実際にRTX-1100とNetScreen-5GTの間でIPSecによるインターネットVPNを構築します。

IPSecを用いる場合、各種セキュリティパラメータを双方のVPN機器でそろえる必要があります。ファームウェアのバージョンなどにも依存するのですが、最近のファームウェアバージョンで選択できるセキュリティパラメータをまとめて、実際に採用するパラメータを決めてみました。

項目 RTX-1100 NetScreen 採用パラメータ
IKE Auth Preshare Preshare RSA DSA Preshare
IKE Encryption DES 3DES AES128 DES 3DES AES128 AES192 AES256 AES128
IKE DH Group modp768 modp1024 modp768 modp1024 modp1536 modp1024
IKE Hash MD5 SHA1 MD5 SHA1
IKE Lifetime 28800(default) 28800(default) 28800
PFS on off off modp768 modp1024 modp1536 on / modp1024
SA AH MD5 SHA1 MD5 SHA1 SHA1
SA ESP DES 3DES AES128 DES 3DES AES128 AES192 AES256 AES128
SA Lifetime 28800(default) 3600(default) 3600
SA Lifesize 0 0 0

セキュリティパラメータは項目こそほぼ同等の項目が定義されていますが、実際のパラメータの選択肢では統一された記法が無いため、RFCなどを参照する必要があります。

例えば、Diffie-Hellman鍵共有で用いられるMODPグループについて、RTXではmodp768やmodp1024が選択可能ですが、これをNetScreenではDH Group1やDH Group2として定義されています。また、RTXではAESとだけ定義されている暗号化方式のAESですが、NetScreenではAES(128bit)やAES(192bit)として複数の選択肢が存在します。こうした場合では、YAMAHAのAESが何bitのものであるかを確認する必要があります。

こうした情報については最終的にはRFCを参照する必要がありますし、暗号理論に関する(大雑把な)理解も必要です。以下にいくつかの資料をまとめてみました。

これらのRFCはIPAのサイトに和訳とともに掲載されています。
(http://www.ipa.go.jp/security/rfc/RFC.html )

また、「電子政府推奨暗号リスト」
( http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/security/cryptrec.html )は実際にセキュリティパラメータを選択する際の一つの基準となるでしょう。