採用最前線物語 – 10.井の中の蛙大海を知らず


採用最前線物語

執筆:H.F

井の中の蛙大海を知らず

同じ年代、同じ学校、同じ専攻、同じ趣味、さらには同業者など、とにかく「同じ」ということで徒党を組んでいないだろうか。同じ仲間の考えることは聞くまでもなく分かり合えることが多く、なんとなく過ごしやすい。

しかし、それだけでは、「井の中の蛙大海を知らず」になってしまう。社会は、多種多様な人々がいて、多種多様な組織が存在し、それらの様々な相互作用で成り立っている。

新しいことを考えつこうと思っても、それほどアイデアは出てくるものではない。それより、異種の人々と付き合えば、自分では考えもしなかったことが、ごく普通に行なわれていて、多くの驚きを体験できる。アイデアは自然に沸いてくる。

昔は、家族に子供からお年寄りまで居るのが普通だった。誕生から仕事、老後、病気、葬儀まで家族や近所、親戚などで行なわれており、子供は自然に社会の様々な側面に触れることができた。

しかし、今の日本は、極端に均一化した世界で、何か異常が発生したとき、ほとんど耐性がない。日常的に様々なことを体験していなければ、メンタルな病気になりやすい。

企業の同業者集団はすごくある。異業種、産官学の交流会なども色々あるが、実質は名刺交換程度で、掛け声だけに終っているものが多い。

大学は地元企業を知らない、中小企業は大学とのパイプがないと言う。まったく変な話だと思う。大学が企業、社会を知らなくて、一体どんな授業ができるのだろうか。とても社会人を送り出すのは無理だろう。

中小企業だって、大学との縁がまったくないのも変だ。縁がなければ、学生が就職活動でやって来ないのも当たり前だ。

異種の世界は貴重な体験を提供する上、ビジネスの発生源であり、人世を豊かにする。あなたには、異種の世界の友人はいますか。