採用最前線物語 – 29.会社説明会に出席する暇がない


採用最前線物語

執筆:H.F

会社説明会に出席する暇がない

会社説明会に出席しないと、就職できないと思い込んでいないだろうか。確かにそういう企業もあるかも知れない。しかし、研究のために忙しくて出席できないこともあろう。研究発表の日と重なって、会社説明会に出られないのなら、無理をして出るべきではないだろう。学生、院生なら、研究発表などの方が重要ではないだろうか。

会社も採用を、会社説明会に来る学生にだけ限定している訳ではない。会社は、良い人材、仕事ができる人材が欲しいだけであり、そのための一手段として会社説明会を開催するだけである。あらゆる手段で良い人を探しているので、会社説明会以外の方法で会社と接触して就職する道は確実に存在する。

研究に関連した分野で就職したいなら、研究をどんどん進めるべきだ。自分がどんな研究をしているかを、どんどん発表するようにすれば、企業の目に止まるものだ。そういう場所で、自分の実力を見せるべきだ。

研究発表の場にも企業の人は来ていて、そういう場所で企業の人と親しくなっている方が、会社説明会に出席するよりはるかに有効だ。そういう場所で将来有望な人だと思われれば、それこそ通常の採用ステップなど無視して、一気に採用が決まることもある。

大学院生にもなれば、学会発表など行なっていて当然だろう。そうすれば、インターネット上に公開されている研究発表のプログラムに、題名や研究者名が並んでいて、まじめに研究活動をしている院生かどうかが企業側にも分かる。

さらに、詳細な研究内容が PDF で用意されていたり、研究発表で使われたプレゼン資料が見られたりして、短時間の面接で得られる以上の深い情報が得られることがある。当然、大学の研究室のWEBサイトは見て、どんなことをやっているか探すのは当然だ。

だから、何も会社説明会へせっせと通うよりも、ちゃんと研究をし、情報発信もちゃんとしていて、直接会社の人に連絡するなどすれば、より近道の就職活動になることがある。

少くとも当社はそのようにして採用したことが多々ある。