社長ブログ

2008/09/25 10:00:00

私を通り過ぎたシステムたち、大手新聞社

勤めていた会社でのワープロ開発の契機は新聞社からの原稿記事の
入力装置の改善が発端と記憶しています。

とにかく新聞社は大都会の真ん中にありながら人手それも専門職の
多い職場で効率化のためのIT化には積極的でありました。
新聞社は輪転機など設備が大きいので引越しとか増改築に伴って
IT化する傾向があります。

そんな中、某大手新聞社から「新聞原稿入力集配信システム」の開発
依頼がありました。マニラで集配信の経験のある我が部にスポットが
あたり私がプロマネとして仕切ることになりました。

新聞原稿は自社取材モノ、共同通信社や時事通信社などからの配信モノ
とがありそれを自社で使用すると共にパートナーの新聞社に中継して
あげます。現状は紙テープを媒体として人海戦術で行っています。
とにかく夕方に掛けてのピーク時は半端じゃなく部屋中が紙テープの
山となり大混乱、ミスが多く難儀して大事な新聞原稿の紛失や中継もれ
が多々発生していました。
これをコンピュータで自動化することが目的です。

まさにこのシステムはコンピュータ性能との戦いでした。

通信回線30本、今では考えられない50BPSとか110BPSの
低速回線ですがコンピュータ性能は現在の1000分の1、朝刊締め切り
間近の原稿が集中する夕方は鬼門でした。
遅れは即朝刊に影響します。

そこで考えたのがコンピュータコンプレクス、いわゆる4台のミニコンを
接続して機能分散、負荷分散を実現しようという画期的なアーキテクチャ
です。

1.初の試みなのでOSも存在しないので手作りで開発
2.自分以外3台が生きてるかの診断プログラムの開発導入
3.どのコンピュータが生き死にかによる機能代替わり
4.原稿の紛失を無くすためのクラスタの開発導入
5.最終的に人間が強制制御できるためのコントロールパネル装備

アーキテクチャを私と上司が提案し後はハード屋、ソフト屋、回線屋
の皆で喧々諤々、多分日本で初のコンピュータコンプレクスの
ミニコンシステムが完成しました。
ソフトもハードも初もの尽くし、平均1日1回はダウンする代物で苦労
しました。
しかしコンピュータは4台あります、どれかは2つ以上は動いていること
で事なきを得るという薄氷を踏む運用です。

それでもこの成功は情報処理学会などにも取り上げられ何回か論文、
レポートなどで学会発表をした記憶があります。

また新聞報道業界での評価も高く地方新聞社も含む50社以上の多くの
新聞社で採用されました。

それから5年ほどでCPU性能が格段と上昇したことでこのコンピュータ
コンプレクスは必要なくなりました。

今では考えられませんが当時は低速なコンピュータ性能をどうソフトで
カバーしリアルタイム業務に適用していくが大きな課題でした。



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