五目並べをして遊んだ人は多いだろう。
道具は囲碁と同じで、碁盤と碁石でできるのだが、
一度置いた石は勝負が決まるまで動くこともなく、取られることもない。
そのため、方眼紙と筆記具があれば遊ぶことができる。
始めたのはいつの頃かはっきりしない。小学校の高学年になってからだろうか、
あるいはもうちょっと早かったかも知れない。
小学校は田舎ということもあり、クラスが小さく先生の目を盗むのが困難で、
遊び時間とか放課後に少しやった程度であったと思う。
中学になって、クラスの人数が多く、席もいつも後ろの方になったので、
授業中に大いにやったものだ。方眼紙に○を描いては相手に渡し、
また受け取っては授業のことで考えるふりをしながら五目並べに熱中していた。
高校ではほとんどやらず、中学の仲間と会ったときだけやる程度で、
単なる時間つぶしであった。
それが変わったのは、大学進学のために上京してからである。
東京には大きな書店があったので、延々と書店の中をさ迷ったものだ。
そういうときに、連珠(れんじゅ)の本を発見した。
どの本か忘れたが、1冊購入し、五目並べとの違いや、
連珠の歴史なども勉強した。
もった早く連珠を知っていればと思ったが、誰も周囲に教えてくれる者がいなかった。
もっともっと知りたくなって、書店で見つけた連珠の本をほぼ全部買ったと思う。
でも、結局全部で3冊くらいだったと思う。
五目並べは時間つぶしとしてやっていただけだが、
連珠は、正式のルールを習得し、練習問題もきっちり解いた。
定石だけを載せた本(『連珠必勝法』新井華石著)もあって、
延々と一人部屋で石を並べてみた。
4手先、5手先を読む訓練もしたが、どんどん枝分かれしていくので、
頭の中で調べるのに限界を感じたものである。
五目並べは、ちゃんとやれば先手(黒)必勝である。
それでは試合にならないので、連珠では最初の3手目までの型で、
まだ先手が勝ちか後手が勝ちか分かっていない型で打ち始める。
また、先手の黒が圧倒的に有利なので、黒には非常に厳しく、白には甘いルールになっている。
したがって、先手の黒は、早い段階で勝ち逃げをしなければ負けてしまう。
夏休みに帰省したとき、中学でよく一緒に五目並べをした友達と
対戦してみた。連珠ではなく五目並べの対戦である。
昔はほぼ互角だったのに、連珠を知り、何手か先まで読む訓練をしているため、
100%勝てるようになっていた。
そして、これだけ大差がついてしまったので、その後五目並べはしなくなった。
周囲に連珠をする者が見つからないし、それでも自分の実力がどの程度の
ものか知りたいと思い、連珠の本を出していた日本連珠連盟に電話して、
のこのこと出かけて行った。
すると、著者である坂田吾朗氏に合うことができた。
何度か打ってもらい、さらに他の有段者にも遊んでもらって、
さらに何か食べさせてもらった。
とても歓待されたのであるが、下宿からかなり遠かったこともあり、
頻繁に通うのはのは不可能だったので、数度行っただけであった。
周囲にも連珠をやる者を見つけられず、また連珠の世界に人を引っ張り込むこともできず、
いつのまにか止めてしまった。
確かに、対戦相手を見つけられなかったこともあるが、
連珠の対戦の厳しさも止めてしまった理由ではないかと思っている。
本当にちょっとしたミスが致命傷になる遊びである。
延々と先を読むことばかりが要求される。
確かに良い形とかあるにはあるが、それ以上にどこまで先が読めるかであり、
妥協のない遊びであった。
延々と先読みすればよいので、コンピュータ向きの遊びである。
プログラムを作ろうと思ったこともあるが、何しろ遊ぶ人がそれほどいない。
などなど、色々あってプログラムを作ることもしなかった。
ネット上にも連珠のプログラムが転がっており、
ずいぶん前に戦ってみたが非常に強かった。
連珠は、頭を使い過ぎることもあり、すでに遠い過去の思い出のゲームになっている。