これでも一応理系だったので、数学とか物理とかも勉強したはずなのだが、長い間にすっかり頭の中から抜けてしまった。これではいけない、バカになると思って、少々勉強しようと思い立った。これで、通信講座を受けるとか、大学や大学院に入るとかするなら普通だろうが、続けられるかどうか分からない。それに、今の時代、インターネットがこんなに発達しているのだから、ものすごく良い公開講座がどこかにあるはずだと探してみた。
それで、偶然見つけたのが、熱血物理学教授がやっている古典力学の講義だった。授業をそのままビデオに撮って、まるごと公開している。講義は全部英語で行われるのであるが、transcript(講義の筆記録)が用意されているので、英語がたいしてできなくても何とかなる。MITの授業の1つであり、ネットで無料で聴講できるので、たとえ挫折しても痛くも痒くもないので始めてみた。
授業は1回50分弱くらいだが、全部で35回もあり、それだけで挫折しそうになる。初回は単位系の話だったりして、まあこんなものかと思ったのだが、2回目以降、どんどん授業中に様々な実験が行われる。
この写真は、振り子の等時性を示すために、教授が錘となって、教壇のところでゆらゆら揺れているところである。教授が錘となっても、周期に変化がないことを示す実験だ。精度をあげるために、10周期を測定しているので、教壇の上で10回も揺れていて、学生たちはあっけに取られている。
物理では、弾丸がどのように飛ぶかについて議論されることが多いが、実際にライフルを持ってきて射った。最新の計時技術で、弾の速度を求めた。後の授業で、昔はどうやって弾の速度を求めたかの実験をやった。
その他にも、様々な、とんでもない実験をいっぱいやってくれる。危険な実験もかなりあるが、一方で誰でも簡単にできて「なぜ?」と思わせる実験をする。実験はどんどんするのだが、理由は自分で考えろということで理由説明はほとんどない。
一つ簡単な実験(手品)を紹介しておこう。口が平らなガラスコップと、平らな蓋と水(液体)があればできる実験だ。
- まず、コップに液体を半分ほど入れて、上に蓋をする。
- 蓋を手で持って押さえ、コップを上下逆さまにする。
- 下から蓋を押さえている手を離す。
これで、コップを上から持っているだけで、水は蓋の上、コップの内側に残り、水浸しになったりはしない。ぜひ、年末のかくし芸としてやってみよう。なお、あまり平らでないコップや板を使った場合は、うまくいかない。万一失敗しても、当方の責任ではなく、物理を理解して実験をしなかったのが悪い。
それにしても、こんなに呆れ返るほど面白い熱血物理学教授がいれば、もっと物理を勉強したのにと今更悔やんでも仕方がないか。
8.01 Physics I: Classical Mechanics