2010/03/29 14:54:00同じ世代でもあり浅田次郎の本は結構読んでいる。
直木賞受賞で映画化もされた「鉄道員」、「椿山課長の七日間 」は映画にも
TVドラマ化にもなり現在NHKBSでは「蒼穹の昴」が放映されている。
西田敏行の「天国までの百マイル」も良かった。
先日ふと立ち寄った曙橋の本屋で浅田次郎の短編集「月島慕情」を買い求めた。
7つのストーリーの全てがいろんな形で相手を思いやる「人間愛」をテーマに
した感動ものである。
特に第2次世界大戦下初期の勝利に陰をさし始める玉砕寸前のソロモン諸島の
帝国陸軍の副参謀にスポットをあてた「雪鰻」が特に印象的であった。
(浅田次郎は元自衛隊隊員だそうだ)
ジャングルの中でマラリアと戦いながら全てのものを食いつくし体に湧いた
蛆虫さえ食べ人倫の極限である人肉さえ食する極限下に戦況視察のため
宮様が日本軍下の島に来られる。各部隊の代表が戦況報告のため参列する
ことになりこの主人公副参謀が命からがら出席した。
ラバウルなどソロモン以外は戦勝気分にありピカピカ礼服参謀の意気軒昂な
報告が続く。テーブルには上野の宮内庁ご用達老舗の「うなぎの蒲焼」と
エビスビールが並ぶ。
最悪前線そのままの身なりの主人公の番になりどう報告すべきか、
南洋の孤島の前線状況はその服装と痩せこけた身体が全てを語る、
立ち上がり悩んで無言・・・目はおあずけのままの「うなぎの蒲焼」、
急に腰をおろし皆が唖然とする中で主人公は一人蒲焼に食らいつく、
その旨さに泣きながら食べつづけ、一粒の米まで食い尽くす・・・・
何にも勝る戦況報告。
トカゲや蛆を拾い人肉まで食べなければならない前線でこの蒲焼の旨いこと、
日本2000年の食文化進化の歴史の全てが凝縮された生涯一度のこの蒲焼を
食べれたのだからソロモンへ前線へみんなの元へ戻ろう・・・・
旨いものって何だろう、生涯一度の死んでも悔いが無い旨いもの、
少々血糖値が上がり過ぎの今日この頃考えてみた。
いろんな世界中の美味しいものを食べてるはずが幼少の頃しか思いつかない。
川で遊び泳ぎ疲れふらふらの体で近くの畑から盗んで食べたトマトやきゅうり、
ノルマを課せられた裏の山での兄弟との畑仕事、夕日が沈みかける頃にようやく
手にしたおふくろの塩おむすびとたくあん。
ところで我社の蒲焼(KABAYAKI)も相当旨いらしい。
是非皆さん食して欲しい。
|