私は、タイムに来る前は半導体なんぞを作っている会社に所属していました。
やってたのはメモリデバイスのテストというやつなんですが、
言ってしまえばメモリが正常に動作するかをチェックすりゃいいわけです。
テストにはテスタという専用のハードを使うのですが、
こいつは数千本という信号線に対して、
ナノ秒(10億分の1秒)とかピコ秒(さらにその1000分の1)とかのオーダーで
何種類もの波形を自由に生成できるものです。
さらにはデバイスからの出力も数百本同時に判定できるという、
一般人にはどーでもいい様な機能がてんこ盛りの基板のバケモノでした。
デバイスのテストをするには、
それぞれのデバイス専用のプログラムを作る必要があるわけで、
プログラミング言語はテスタメーカー各社マチマチの言語仕様なんですが、
基本的にはキモチだけアセンブラ(構文は例えにくい)といった感じの部分と、
CとかPascalちっくなちょっと高級言語っぽい部分から構成されてました。
デバッグには主にオシロスコープとロジックアナライザを使いましたが、
まぁ、そもそもそのデバイスも開発中のサンプルですし、
プログラムも開発中のものですし、
デバイスをテストするための治具(ソケットだとか専用基板など)も
作りたてのホヤホヤです。
というワケで信用できるのはオシロなどの計測器のみで、
治具の配線がおかしいとか、
デバイスの足にプローブが噛んでないとか、
自分の作ってるプログラムだとか、
全てが疑わしいヤツばっかなワケです。
無事製造開始に至っても、それで終わらせてくれるわけがありません。
歩留(良品の取れ率)の改善やテスト時間の短縮のために、
テストで不良判定されたデバイスの解析や、
時にはテスタそのものの問題を調査することもありました。
要はマトモに動作するやつより、
どっか挙動不審なヤツばっか相手にするわけでして、
まぁそんなことを長い間やっておりました。
そんなすさんだ生活の後遺症かもしれませんが、
私はどっかおかしくても、それなりに機能することを
結構平気で許しちゃいます。
今の仕事を考えるとなんだか危険思想な香りがしないでもないですが…。
で、前置きはこの辺までにして、今日のネタです。
私が最初にゴルフクラブを握ったのは高校の頃だったように思います。
父が夕食後に打ちっぱなしに行く時に、
勉強の息抜きについていってペシペシ叩いていました。
その頃の私のスイングは
どこもかしこもおかしいので、マトモに機能しないんですが、
それは今になって思うことで、当時は何故なんだかサッパリでした。
「動かすな」とか「こう動かせ」とか、
「キッチリ固定しろ」とか「力を抜け」とか、
もう完全に私の関節の稼働範囲では実行できそうにない教えばかりです。
しかも、どこか一箇所でも狂うと明後日の方向に飛んでしまうわけです。
ゴルフ雑誌も大抵スイングに関するレクチャーが付きもので、
そういったことからも、皆スイングに悩んでいるんだろうなぁ
ということが伺えます。
私の場合、これを一気に解決してくれたのが、
今回紹介するレッドベターの「ザ・アスレチック・スイング」です。
この本の良いところは、あまり細かいことをゴチャゴチャ指定しないんです。
角度を何度にするとか自分で確認が困難なことを指針にせず、
どちらかというと、その時どういう感じが得られるかを指針にしています。
例えばスタンスはどの程度開くか、つま先はどの程度の開くかについて、
両足の間隔(距離)や角度がどうこうじゃなく、
前後左右に体重移動してみて、スムーズに体重移動できること、
といった具合です。
(チェックの仕方はもう少しちゃんと書いてあったと思います。)
この本の著者は、ゴルフのスイングという、
瞬間的に大きく体が回転するダイナミックな運動の中で
角度だの位置だのそんなものをいくつも同時に注意できっこないことを理解しています。
実際このアスレチック・スイングでは、
注意しなければならないことはあまり多く無いのに、
思いのほか、安定した打球が可能になったりします。
私のスイングがキレイなスイングかどうかは不明です。
でも打球は明らかにこの本を読む前とは変わったのを覚えています。
そして、どっかおかしくても、機能しちゃうんです、これが。
より大きな筋肉を使うことを教えてくれるからなんですが、
興味を持たれた方は読んでみてください。
一日あれば読めちゃいます。
しかもとっても楽しいです。
とまぁ格好つけて書いたのにナンですが、
今ではまるでクラブを握ることはありませんし、
当時のスコアの方も聞かないでやってください。
なんせ、パッティングだけはどっかおかしいと、絶対入ってくれないものですから。