電脳春秋 – 〈第 17 回〉 キーボードの習得は 1 日もあれば楽しみながら出来る


電脳春秋

執筆:H.F

〈第 17 回〉 キーボードの習得は 1 日もあれば楽しみながら出来る

パソコンを使う以上、マウスだけではなく、キーボードで文字を入力しなければならないことは多い。報告書の作成、メールの返信などは、キーを打つのが苦痛になる人にはかなりの負担ではないかと思う。

私の場合、パソコンというか、コンピュータを本格的に開始したのは 25 年前だが、それよりずっと前からキーボードを打つのには困らなかった。中学のときの英語の先生が、図書館の準備室に置いてあるタイプライターを使っても良いと言ってくれたので、何度か練習に行っているうちに、タイプライター教則本を貸してくれた。そのうち自宅にもタイプライタがやってきて、それで練習したのだが、当時は手動式タイプライタだったので、なかなか大変だった。

コンピュータを本格的に始めたころ、プログラムは画面に向かって直接打ち込むものではなく、コーディング用紙というプログラムのための原稿用紙に書いて、キーパンチャーに打ち込んでもらうのが普通だった。だから、プログラマでも、キーボードが打てないとか、一本指でたらたら打つ技術者が多かった。

そういう訳で、キーボード恐怖症というものはなく、どちらかというとキーボード優越感しかなかった。今でも、キーボードが打ちやすいかどうかは非常に気になる。打ったときの感触とか、押し込んだときの深さ、キーの傾き具合い、キーの形状、音など、とても気になる。キーボードは仕事の効率に一番影響する。

ところで、今でも、多くの方がキーを打てなくて困っているというのを聞く。そこで、非常に楽に、どちらかというとストレスを解消させながらキーボード練習ができるような方法を紹介しよう。

キーボードのうち、本当に覚えなければならないのはアルファベットだけである。特殊な記号とか数字などは、とくに覚える必要はない。良く使うキーは指が勝手に覚えるから、アルファベット 26 文字だけを覚えれば済む。

練習ソフトなどたくさん出ているが、どれを見ても非常に無味乾燥な、忍耐力を試すような指の訓練のためだけの練習を延々とやらせるようだが、これではキーボード恐怖症が増すばかりである。キーボード恐怖症患者を増やすためのソフトとかと疑ってしまう。

私の勧める方法は、ローマ字入力で覚えてしまおうというものである。最初は、 AIUEO の 5 つのキーだけを覚えて欲しい。この 5 つのキーを使って、知っている単語を考えながら打つ。ローマ字漢字変換をしても構わない。母音 5 つで「愛、会う、言う、追う、家、甥、、」とかが出せる。

母音に慣れたら、次は k も使って練習する。「貝、書く、顔、聞く、気合い、気負い、恋、機械、悪意、」とかが出せるようになる。次は、 s も加えて練習を繰り返す。そして、t 、n 、と順に増やすに従って、次第に表現できる単語が急激に増加してくる。

この方法で一番大切なことは、教則本が無くても、練習ソフトが無くても簡単に練習できる上に、本を見て、ひたすら与えられた練習に従っているのではなく、自発的に単語を思い浮かべて打っていくので、退屈にならない。

今まで何人かで試したが、練習が進むに連れて、次第に悪い言葉を入力するようになるようだ。そして、そういう傾向が強い人ほど、学習効果も高かった。