採用最前線物語 – 28.新卒採用詐欺対策(4)


採用最前線物語

執筆:H.F

新卒採用詐欺対策(4)

会社説明会、入社試験、面接など入社までにはいくつもの段階があるだろう。それらの段階で、会社の説明をしてもらったり、様々な資料を受け取ることになろう。そして、対応してくれるのは人事担当者になろう。

採用が決まるまでのステップで、実際に会社がどのような仕事をしているか、実際の現場を見せてくれたり、現場で働いている社員から直接話を聞くことはあったであろうか。

人事と社長の話だけだったら、かなりヤバイと思う。人事や社長が、自社内ではなく、外部の会場で説明してくれるだけで、実際の現場も見せずに採用の話を進めてきたら、とても信用できない。入社して一緒に働くことになるような人々の話を聞こう。職場の雰囲気がイメージと全く異なり、耐えがたかったら最悪ではないか。

これは、ワンルームマンションを借りるのに、実際の部屋を下見せずに、紙上チェックだけで決めるようなものである。契約書を交わしてから、実際の部屋が話と違っていたら困るだろう。不動産なら一応ある程度の規制があるけれど、それでも現物を必ず確認するだろう。会社だって、やっぱり現物を確認すべきだ。

立派に見えるパンフレットなど、金さえ払えば作ってくれる企業はいくらでもある。パンフレットが素晴しいからといって、素晴しい会社とは限らない。それどころか、騙すためにパンフレットに全力を注いでいるかもしれない。

全国展開しているといっても、派遣先企業の所在地が並んでいるだけというとんでもない場合さえある。自分の会社がどんなに大規模か誇示しようとしているところもあるので、ちゃんと調べよう。

何かを決めるのに、「自社まで来てください」と言わないのは怪しいではないか。何か後ろめたい所があるのではないかと思わずにはいられない。見られて困るような事があるのではないだろうか。

実際に、どんな人が、どんな考えで、どんな仕事をしているのか、可能な限り調べる必要がある。現実を隠そうとする組織には、隠す理由がきっとある。