採用最前線物語 – 44.就活の小手先テクニックは無駄


採用最前線物語

執筆:H.F

就活の小手先テクニックは無駄

就職活動に関する本がたくさん出ていて、書店がコーナーを作るくらいだから、結構売れているのではないかと思う。つまり、ああいう本を読んで、目指す企業の内定を勝ち取ろうとしているのだと思われる。

企業側からすれば、試験に通るだけのテクニックにのみ長けた者は、できるだけ入れたくない。本当の能力、性格、組織とのマッチングなどを知りたい訳だ。間違えて合わない人を入社させてしまったら、企業としては大変な損害だ。仕事に慣れてきて会社に本格的に貢献できる数年後を待たずして退職したり、体調を崩したりすることになるのだから。

そのために、何度も面接をしたり、いままで作った作品 (プログラム、論文、その他) を見たり、様々なことを書かせたりする。ホームページやブログがあれば、読んだりする。さらに、インターンやアルバイトをしてもらったり、応募者の情報をさらに集めることもある。

面接でこういう風に答えれば合格というようなのをいくら練習してきても、そんなことでは面接で話が予定外にそれてしまったときに対応できない。面接では、できるだけ現実の姿がどうなのかを探る。知識ややりたいことだけではなく、人間をトータルに評価しようとする。

口先だけなら現実と違うことだって言える。自分を偽って首尾よく内定を得られたとしても、実際に仕事が始まれば、本音でやるしかない。そうでないと、続けられる訳がない。本当の自分のやりたいことと違いが大きくなってしまったら、本人自体が一番苦しいだろうし、成果もさっぱり上がらないだろう。

それに、簡単に誤魔化せるような面接者のいるような会社へ就職しても、そんな会社の将来はどう考えても危ない。逆に、面接で突っこみを入れられてしまう位のところへ就職した方が賢明である。

就活のテクニック本は、面接官も手にすることができるのを忘れないように。サンプル通り立て板に水の如く話すと評価が下ることもある。

下手に飾らず、固くならずに、事実を素直に伝えるのが一番である。