採用最前線物語 – 55.素直になれば吸収力が増す


採用最前線物語

執筆:H.F

素直になれば吸収力が増す

人間と言うものは、どうしても自分の行為の正当性を主張したがる。いかに努力したか、いかに長時間働いたか、自分のアイデアや働きの有効性を主張し、自分を認めてもらいたがる。もちろん、失敗したときは、自分のせいではないと主張したがる。

そういうのは当然のこととは思うが、ときどき冷静になって、自分の作業の効果が予想したように出ているか確認する必要がある。大切なのは、ありのまま、冷静に判断することだ。

しかし、ここで素直になるのは、実は難しい。長時間働いている人が成果がちっとも出ず、短時間しか働かず、休みがちな人の方がはるかに成果が出ることがある。

しっかり勉強し研究もして自信を持って行なったことが、まったく社会に受けいれられないことは良くある。「まあ、こんなもので良いのでは」という安直な考えで、適当にやった作業が、社会に受けいれられることもある。

社会の判断は、非常に不条理である。この不条理に対して文句を言ったり、自らの努力を延々と主張し続ける者がいる。でも、ビジネスでは、社会に受け入れられるものが正しく、受け入れられないものは誤りだ。ただそれだけだ。

これを素直に認め、失敗したとき、なぜかを考えるようになると、社会に受け入れられるにはどうすれば良いかが分かってくる。どんなに努力しても、現実を認め、受け入れる素直さがないと、進歩は難しい。

大手のベンチャーキャピタルで、ベンチャーの失敗を延々と研究した人の話を聞いたが、高学歴の人が成功する確率は実は非常に低いそうだ。成功するための十の条件を聞いたが、知識、知能などはまったく無かった。真面目は良いが、クソ真面目まで行くと失敗する。同様の話を何名かから聞いたり、本で読んだりしたが、だいたい同じで、以下のような項目になる。

好奇心、明るさ、礼儀、個性、独創的ワンマン、夢、感性、破壊者、そして素直であることが必須で、運も必要とのこと。

ベンチャーを起業する場合だけでなく、社会に出て働くにも同様のことが重要だ。失敗を恐れず、失敗から学び取りながら色々なことにチャレンジし、新境地を切り拓いて欲しい。