Azureってやばいかも


2011年 01月 19日

マイクロソフトにしては静かにオープンし、人知れず勢力を伸ばし、知らぬ間にアップデートを続けているAzure。
オープンし1年を迎えるが、遅まきながらAzureに触れてみて「Azureってやばいかも?」と思っている

まあこんなブログ読んでいる人ならAzureが何かくらい知っているだろうし、適当にググればいくらでも紹介記事があるので詳細まで説明しないが、とにかくやばいのである

何が?やばいのか

1、OSやミドルウェアのライセンスがかからない

従来MSテクノロジーvsOSSではライセンス費用がかさむ分MSテクノロジーが不利だった。その不利を打ち消すように「便利ですよー」「高機能ですよー」とやっていたわけだ

しかしAzureではインフラ代金は請求されるがライセンスなどまったくかからない。月間1億PVを稼ぐサイトや超大手の基幹システムならいざ知らず、数千万規模のシステムではこれはとてつもない破壊力を持っている

考えてみてほしい。開発費3000万のシステムで、そのインフラ初期費用はいくらいかかっているだろうか?ケースバイケースだと思うが、MSテクノロジーを使えば1000万くらいは普通にかかるだろう。これをOSSにして500万などというのが従来の世界観だった。

「ちょっと待って、クラウドの特徴はスケーラビリティとか超大規模システムじゃないの?」とか思ったかもしれない。私も最初はそう考えていた。しかしAzureの仕様を理解するにつれ、このクラウドはごく普通の、むしろ小じんまりな案件でこそ破壊力があると思うようになった。


2、PaaS(Platform as a Service)の力


Azureで手に入るのはASP.NETのアプリケーションプールであり、SQLServerのインスタンスだ。どうやってロードバランスするかとか、障害時のリカバリをどうするかとか、セキュリティパッチをいつ当てるかとか、ディスクフルの監視をしなくちゃとか、そういった運用的な雑務から一切合切解放されている。
Azure以外でこれを実現できるのはGoogleAppEngineくらいのものだと思う。J2EEやPHPでは同じようなものがない。
そしてJ2EEで今後PaaSが出てくるとは思えない。なぜならJ2EEのプラットフォームの統一は絶望的だろうからだ。LAMPならできるかも知れない。というかすでにあってもおかしくない(私が知らないだけだ)

何が言いたいかというと、PaaS競争は値段もあるけど、結局プラットフォーム競争になるわけであって、現時点では実績、機能、統一性の総合点でASP.NETが最強で、それを他社がPaaSとして提供してもWindowsやSQLServerのライセンスから逃れられない以上、Azureが最強なんじゃないかと


よく言われているけどマイクロソフトは過去に大きな方向転換を何度かしている。
IBMと袂を別ちWindowsを出し、ハードのおまけだったOSが主役になり、ハードこそOSのおまけになったとき。
IEを出し、IISを出し、スタンドアローン中心からインターネットを中心にすえたとき。
そしてあと10年たってみれば、Azureがサーバ市場支配の始まりとして3度目の大きな転換に数えられるときが来るのかもと、思ったりしています