書評:『Chainerによる実践深層学習』


2017年 01月 22日

ChainerDeepLearning.gif Chainerによる実践深層学習

親納 浩幸 著 (著書一覧

A5版、192ページ
2016/9/24 発行
2400円(本体)
オーム社
ISBN-13: 978-4-274-21934-4

本書のプログラムとデータ



Deep Learning のフレームワークはいろいろあるのだが、日本発のフレームワーク Chainer の書籍があるので紹介する。

といっても、まだ一部しか試していない状況なので、とりあえず概要を書いておく。

まず、なんといっても、薄い。全体で192ページしかなく、最初の方はDeep Learning の基本と、Chainerの基本的な使い方が示されているだけで50ページほどが終る。
といっても、これだけのことを50ページで書いているので、かなりハイペースである。

第2章のタイトルが「ニューラルネットのおさらい」であり、ニューラルネットのプログラミングに関してある程度の知識があることが前提になっていることが伺える。

だから、他書で Deep Learing の知識をある程度身につけていないと厳しいと思われる。
そういう場合、たとえば、以前紹介した『ゼロから作る Deep Learning』などをまず読むと良いだろう。

本書のプログラムは公開されており、とても便利である。
ただし、python3 対応ではないので、pyton3 上で動かすときには、print などの変更が必要になるが、エラーを頼りに修正すれば簡単に済む範囲だ。といっても、まだ一部のプログラムを確かめただけだが。

Deep Learning のプログラムは、突然本格的なものを見せられると訳がわからなくなると思うが、本書には比較的簡単な例があり、自分で確かめることが容易である。

ページ数が少ないので、道草をあまりしていない本になっている。
プログラミングの実力をつけるためには、勝手にプログラムをあれこれ変更してみる必要があるのだが、そのベースとして使うにはとても都合が良さそうだ。

最後は、ChainerからGPUを利用する方法の説明もある。
CuPyの説明があり、これだけ使って、PythonからGPUを使えるようになると便利かも知れない。

この技術者ブログでは、本書のプログラムも大いに参考にし、勝手に大幅にいじって、どんなことになってしまうか、紹介しようと思っている。
でも、保証はしない。
要するに、本書は、この技術者ブログのネタ本の1つである。
なので、本書をさっと読まれると、ちょっと困る(笑)