RubyKaigi 2025 参加レポート (r_maeda)


2025年 04月 22日

こんにちは。SI部の r_maeda です。

去年 に引き続き、今年も RubyKaigi に参加してきました。今年は愛媛県松山市で開催されました。

松山空港(手荷物受取所)
松山大街道商店街
会場:愛媛県県民文化会館
セッションの様子 (Day3: Ruby Committers and the World)

今年のRubyKaigiを簡単に(かつ個人的に)振り返る

Day1

聴講セッション

  • Ruby Taught Me About Encoding Under the Hood
  • Make Parsers Compatible Using Automata Learning
  • A side gig for RuboCop, the Bookworm code crawler
  • Goodbye fat gem 2025
  • Automatically generating types by running tests
  • State of Namespace
  • dRuby on Browser Again!
  • TRICK 2025: Episode I

キーノートセッションでは、文字コードの歴史から始まり、UnicodeにおけるGrapheme cluster(書記素クラスタ)の取り扱いの難しさなどが紹介されたところで、 ima1zumi さんが「だがそれが面白い」と発言されたことが印象に深く残っています。自分が同じ立場だったら、おそらく「面倒だな」が勝っていただろうなと。

日々の開発の中で複雑な仕様に遭遇したときに、これを単に「面倒だな」と捉えてしまうのか、それとも「奥深いな」と捉えられるのか。こんなメンタリティも、今回のRubyKaigiで学べたことのひとつなのかなと感じました。

あとはNamespaceの話と、TRICKも面白かったですね。Namespace機能は個人的に気になっているものなので、単純に早く触ってみたいです。TRICKで出てきたコードはどれも自分の理解を超えていて訳がわからないものでしたが、なのにただただ楽しい時間でした。

Day2

聴講セッション

  • Performance Bugs and Low-level Ruby Observability APIs
  • Benchmark and profile every single change
  • ZJIT: Building a Next Generation Ruby JIT
  • Writing Ruby Scripts with TypeProf
  • RuboCop: Modularity and AST Insights
  • Speeding up Class#new
  • Making TCPSocket.new “Happy”!
  • Lightning Talks

TypeProfやRuboCopなど、開発支援ツール周りのセッションを多く聴講しました。

印象に残っているのはosyoyuさんのBDD (Benchmark-Driven Development) をやってみた話でした。パフォーマンス視点に限らず「1つの仕様を実現するための複数の実装」を比較することは当たり前にやっていきたい、チームメンバーにもその文化を根付かせていきたいなあと思いながらセッションを聞いていました。

またZJITも気になりました。次のRubyリリースではまだ実験的な導入に留まる可能性が高そうですが、今後に向けて期待できるものだったと感じました。

Day3

聴講セッション

  • Ruby Committers and the World
  • API for docs
  • The Ruby One-Binary Tool, Enhanced with Kompo
  • Toward Ractor local GC
  • Analyzing Ruby Code in IRB
  • Modular Garbage Collectors in Ruby
  • Matz Keynote

GC関連の2セッション、そして最終日もまたSteepやIRBと言った開発支援ツール周りのセッションを聴講しました。

Namespaceが気になっている身としては、開幕セッションとMatz Keynoteの両方で触れられたのが嬉しかったですね。Ruby3.5 (4.0?) ではまだ実験的な段階での導入になりそうとのことですが、早く触ってみたいです。

おわりに

今年のRubyKaigiも非常に濃密で楽しい時間を過ごすことができました。来年函館で開催予定のRubyKaigi 2026にも参加したいなと考えています。

なお今回も弊社のスキルアップ支援制度にて、チケット代と交通費の全額、また宿泊費についても一部を支援いただきました。ありがとうございました。